TBSと韓国のStudio Dragonがタッグを組んだ日韓共同制作プロジェクト。さらに「愛犬同士の恋が、飼い主たちの運命を変える」という斬新なコンセプトに、放送前は「これまでにない大人のラブストーリーが見られるのでは?」と大きな期待を寄せていました。
主演の清原果耶さんをはじめ、成田凌さん、そして韓国の人気俳優ナ・イヌさんという実力派たちが集結。映像の質感やロケーションも非常に美しく、序盤は確かに新鮮な風を感じさせてくれました。しかし、回を重ねるごとに募る違和感……。
今回は、そんな期待作であったはずの『初恋DOGs』について正直にレビューします。設定の良さを活かしきれなかった脚本の迷走や、どうしても感情移入が難しかったキャラクター造形など、視聴後に抱いた「正直な本音」を綴っていきます。
『初恋DOGs』ってどんなドラマ?
ドラマ『初恋DOGs』は、2025年7月期にTBSの火曜ドラマ枠で放送された作品。脚本を手がけたのは、『恋はつづくよどこまでも』などヒット作の実績がある金子ありささん。主題歌にはSEVENTEENの「愛が通り過ぎた跡」が起用され、放送前から注目を集めていました。
しかし、平均視聴率は4.6%、最高視聴率は第1話の5.8%にとどまり、話題性・数字ともに盛り上がりに欠け、最後まで低空飛行のまま放送を終えた作品です。
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『初恋DOGs』を語る、3つのポイント
1.実力派キャストたちが魅せる圧倒的な演技力
主演の清原果耶さんと成田凌さんはもちろん、脇を固めるキャスト陣の演技力の高さは特筆すべき点です。特に清原さんが見せた、冷徹な弁護士が愛犬の前だけで見せる柔らかな表情や、成田さん演じる不器用な獣医師の繊細な心情表現は非常に見応えがありました。この高い演技力があったからこそ、複雑な設定の中でもキャラクターの感情に一定の説得力が生まれていました。
2.日韓共同制作がもたらした情緒的な映像美
本作の大きな特徴は、韓国の制作チームが深く関わっていることによる映像の美しさです。ライティングや色使い、特に愛犬たちとの散歩シーンの風景描写などは、これまでの日本のドラマとは一線を画す情緒的な美しさがありました。まるで映画のようなクオリティの高い画作りは、視覚的に視聴者を惹きつける大きな魅力となっていました。
3.日本の日常感には馴染まなかった「財閥設定」と韓国語の壁
「500億ウォンの遺産を背負う犬」という韓国ドラマらしい財閥設定は、日本のリアルなドラマを求める層には少し突飛すぎたかもしれません。特に第1話において韓国語のシーンが非常に多かったことが、日本のドラマファンにとって視聴のハードルとなり、序盤で多くの視聴者が離脱してしまった大きな要因と考えられます。
『初恋DOGs』本音レビューと星評価
全話視聴して感じた満足度を5つの指標で評価してみました。
評価のポイントは以下の5つ。
- 物語(構成・展開・完成度・台詞・余韻)
- 出演者(配役・役者さんの演技力)
- 演出(テンポ・視覚的な演出・映像美・音楽)
- 感情への訴求(泣ける・笑える・胸キュン・切ない)
- 中毒性(依存度・リピート率・特別感)
物語|★★☆☆☆
出演者|★★★★☆
演出|★★★★☆
感情|★☆☆☆☆
中毒性|★☆☆☆☆
『初恋DOGs』は胸キュンには物足りなさが残る”惜しい作品”
日韓共同制作という大きな看板を背負い、豪華なキャストで描かれた犬の恋から始まる物語。
この作品には、情緒的な演出や、登場人物の背景を丁寧に掘り下げる韓国ドラマ特有の構成、そして雨のシーンや視線の交わし方に代表される細やかな心理描写など、韓国ドラマファンに深く刺さるクオリティが確かに存在していました。
また、タイトル通りに物語の鍵を握る動物たちの存在は大きな癒やしであり、言葉を交わさずとも通じ合うペットとの確かな絆の演出は、犬を愛する人なら誰もが心を緩ませる魅力に満ちています。劇的な変化よりも、不器用な大人たちが少しずつ歩み寄っていくスローバーンな距離感も、じっくり見守る楽しさがありました。
しかし、そうした「映像美」「動物の癒やし」「丁寧なアプローチ」という優れた素材がありながらも、突飛な財閥設定のノイズや、恋愛ドラマとしての爆発力の物足りなさが勝ってしまい、最終的にはターゲット層が曖昧なまま着地してしまった印象です。
映画のような美しい映像世界に浸りたい方や、画面に映る愛らしい犬たちの名演技に癒やされたいという目的であれば楽しめる要素は多いですが、火曜ドラマらしい王道の胸キュンや、感情を大きく揺さぶられるドラマチックな展開を期待すると、少し物足りなさが残る、人を選ぶ一作と言えます。

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