二宮和也さん、中谷美紀さん、大沢たかおさん。この名前が並んだ時点で「勝った……!」と全ドラマオタクがガッツポーズしたはずです。しかも描くのはクリスマスイブの「たった1日」。月9が仕掛ける超大型の群像サスペンスとあって、放送前の期待値はまさに天井知らずでした。
ですが……いざ蓋を開けてみると、あまりの迷走ぶりに「えっ、嘘でしょ!?」とテレビの前でフリーズ。 主演級キャストの演技力は文句なしに最高峰なのに、とっ散らかった演出と構成のせいで「やりたかったことの1割も伝わっていないのでは……」と悶絶するハメに。
豪華すぎる俳優陣の無駄遣いに、観ているこちらが申し訳なさで胸が痛くなるレベルでした。
あの聖夜、私たちの身に一体何が起きていたのか。期待が大きかったからこそ残った強烈なモヤモヤと、愛ゆえのツッコミをここでしっかり整理してみたいと思います。
『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』ってどんなドラマ?
2023年10月期にフジテレビ系「月9」枠で放送された、二宮和也さん・中谷美紀さん・大沢たかおさんトリプル主演の群像劇ドラマです。クリスマスイブという「たった1日」に起きた事件を1クール(全11話)かけて描く異色の作品。
記憶を無くした逃亡犯の勝呂寺誠司(二宮和也さん)、報道番組のキャスター・倉内桔梗(中谷美紀さん)、老舗レストランのシェフ・立葵時生(大沢たかおさん)という、まったく別の場所・状況にいる3人のストーリーが並行して進み、次第に交錯していくサスペンス&コメディミステリーです。
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『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』を語る、3つのポイント
1. 1日の出来事を1クールで描く挑戦は斬新だったけど……
「クリスマスマイブの24時間」を全11話かけて描き、3つの世界線を同時並行させるという挑戦自体は最高にロマンがありました。ただ、残念ながら「温度差の激しい3つの世界」が互いの足を引っ張り合う結果に。
二宮さんの緊迫した逃亡劇や、中谷さんのピリッとした報道現場で緊張感がMAXに達した直後、急に大沢たかおさんがレストランでドタバタコメディを始めると、あまりの寒暖差に「いまその話要る!?」と風邪をひきそうになりました。サスペンスのテンポをコメディが分断してしまい、最後まで波に乗りきれなかった印象です。
2. やりたかったことの1割も伝わっていないもどかしさ
見事なパズルが完成する爽快感を誰もが期待していましたが、フタを開けてみれば「たった1日の引き伸ばし」感が否めませんでした。制作陣の頭の中にはきっと、綿密に計算された素晴らしい設計図があったはずです。
しかし、実際の出来上がりは「やりたかったことの1割も画面から伝わってこない…」という悲しいギャップ。伏線回収のワクワク感よりも、「話が進まないもどかしさ」が勝ってしまい、せっかくのスケール感を演出と構成が消化しきれなかったのが本当に悔やまれます。
3. 実力派が揃ったからこそ際立つ「豪華キャストの無駄遣い」
このドラマ唯一にして最大の救いは、間違いなく役者陣の圧倒的な演技力でした。瞳で語る二宮さんの哀愁、信念を貫く中谷さんの美しさ、そして真面目にコメディをやり切る大沢たかおさん。個々の演技は間違いなく100点満点だったからこそ、「豪華キャストの無駄遣い選手権」ぶりがより一層浮き彫りになってしまいました。
誰も演技で手を抜いていないからこそ、脚本や構成の粗が目立ってしまう。この至高のメンバーで、まったく別の重厚なサスペンスを観てみたかった……と思わずにはいられません。
『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』本音レビューと星評価
全話視聴して感じた満足度を5つの指標で評価してみました。
- 物語(構成・展開・完成度・台詞・余韻)
- 出演者(配役・役者さんの演技力)
- 演出(テンポ・視覚的な演出・映像美・音楽)
- 感情への訴求(泣ける・笑える・胸キュン・切ない)
- 中毒性(依存度・リピート率・特別感)
脚本|★★★☆☆
出演者|★★★★★
演出|★★☆☆☆
感情|★★☆☆☆
中毒性|★★★☆☆
まとめ:企画の斬新さに脚本と演出が追いつかなかった、悔しさが残る群像劇
二宮和也さん、中谷美紀さん、大沢たかおさんという主役級の3人が勢揃いし、「クリスマスイブの24時間」を描く。そんなワクワク感MAXでスタートしただけに、出来上がりのチグハグさがとにかく勿体なくて頭を抱えてしまう作品でした。
3つの軸を並走させる構成は意欲的だったものの、レストラン編のコメディ空間がサスペンスの緊張感を絶妙に削いでしまったり、1日の出来事を引き延ばしたことでテンポが停滞したりと、挑戦的なアイディアがことごとく裏目に出てしまった印象です。
それでも、役者陣が見せた渾身の熱演と圧倒的な存在感は間違いなく本物でした。「なんでこうなった……」と悶絶しながらも最後まで見届けてしまったのは、間違いなく彼らの演技力のおかげです。キャスト陣が最高に魅力的だったからこそ、「制作陣がやりたかったことの1割も伝わっていないのでは!?」というもどかしさがどこまでも残る、なんとも愛おしくも悔しい月9の挑戦作でした。


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