『101回目のプロポーズ』は1991年7月期にフジテレビ系月9枠で放送されたトレンディドラマの金字塔。「僕は死にましぇん!」など数々の名台詞を生み出し、主題歌の『SAY YES』も282万枚を売り上げる爆発的ヒット。ドラマ主題歌=ヒット曲という法則の先駆けとなりました。
この記事では『101回目のプロポーズ』が時代を超えて愛される理由をさまざまな観点から徹底解剖していきます。30年以上経った今も多くの人の心に残る理由とは?
『101回目のプロポーズ』はこんなドラマだ!
| 放送枠 | フジテレビ / 月9 |
|---|---|
| 放送期間 | 1991年7月1日~9月16日 |
| 脚本 | 野島伸司 |
| 主題歌 | CHAGE&ASKA『SAY YES』 / 282万枚 |
| 平均視聴率 | 23.6% |
| 最高視聴率 | 36.7%(最終話) |
※視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ
※主題歌の売上枚数はオリコン調べ
1988年に脚本家デビューした野島伸司さんの初期の代表作。『高校教師』『家なき子』など数々の社会現象を巻き起こした野島さんが人気脚本家の仲間入りを果たした作品です。
美女と野獣!一途でひたむきな愛に涙する奇跡のラブストーリー
99回お見合いに失敗した不器用で冴えない会社員・星野達郎(武田鉄矢)が100回目のお見合いで出会ったのはチェロ奏者・矢吹薫(浅野温子)。結婚式当日に事故で婚約者を亡くした過去をもつ薫はお見合いに乗り気ではなく断りますが、薫に好意を抱いた達郎はまっすぐな想いを伝え続けます。初めは達郎のことを疎ましく思っていた薫ですが、達郎の一途でひたむきな愛に触れて凍った心が融けはじめるのでした。
しかし達郎と婚約して間もなく、薫の前に現れたのは事故で亡くなった婚約者にそっくりな男性・藤井(長谷川初範)。別人だとわかっていても藤井に惹かれる心を止められない薫は達郎との婚約を破棄しますが、やっぱり自分を本当に愛してくれているのは達郎だと気付き―――――
【登場人物1】99回お見合いに失敗した男・星野達郎(武田鉄矢)
真面目で不器用な会社員(万年係長)。亡くなった両親にかわり歳の離れた弟を大学へ通わせる。99回お見合いに失敗し、100回目のお見合いで出会った薫に運命を感じる。
【登場人物2】昔の恋人を忘れられない美女・矢吹薫(浅野温子)
オーケストラのチェロ奏者。3年前に事故で亡くなった婚約者を忘れられない。母親に勧められたお見合いで出会った達郎の一途でひたむきな想いにだんだんと心を通わせる。
【登場人物3】見た目も性格も完璧なのに報われない男・沢村尚人(竹内力)
薫と同じオーケストラのバイオリニスト。見た目も性格も完璧。薫のことが好きで積極的にアプローチしているが、振り向いてもらえない。
【登場人物4】見た目はチャラ男なのに実は純情な弟・星野純平(江口洋介)
大学の法学部に通う達郎の弟。兄をバカにする相手には本気で怒る。見た目はチャラ男なのに実は純情。好きな女の子の前では普段の自分が出せず空回りしてしまう。
【登場人物5】明るく前向きな妹・矢吹千恵(田中律子)
明るく前向きな薫の妹。傷心の姉を心配してお見合いにも付き添う。姉のことが好きだと知りつつ尚人に好意を寄せる。同じ大学で同じサークルの純平とは口喧嘩が絶えない。
【登場人物6】薫の婚約者にそっくりな男・藤井克巳(長谷川初範)
大阪支社から東京本社に転勤してきた達郎の上司。バツイチ子持ち。薫の亡くなった婚約者に瓜二つ。
『101回目のプロポーズ』はどこで観れる?配信状況をチェック
| サービス | 料金(月額) | 配信状況 |
|---|---|---|
| Netflix | 890円 | |
| AmazonPrimeVideo | 600円 | |
| U-NEXT | 2,189円 | |
| Hulu | 1,026円 | |
| FODプレミアム | 976円 | |
| TSUTAYA DISCAS | 無料(都度課金) |
『101回目のプロポーズ』は2025年10月現在NetflixとFODプレミアムで配信されています。また、TSUTAYA DISCASでDVDをレンタルすることもできます。Netflixは配信が終了してしまう可能性があるので、確実に観るならFODプレミアムがおすすめです。
涙腺崩壊!『101回目のプロポーズ』名場面と名台詞集

ドラマ『101回目のプロポーズ』といえば「僕は死にましぇん!」という台詞が有名ですが、それ以外にもたくさんの名場面と名台詞があるんです。ここでは私が個人的に大好きなシーンと台詞をご紹介します。
【その1】第5話「あなたはダメじゃない」達郎の心に火をつける薫
薫と食事中、偶然昔のお見合い相手に遭遇した達郎は彼女と彼女の夫に失礼な発言をされますが、何も言い返しません。そんな達郎に薫は―――
「星野さん、あんな風に言われて悔しくないんですか?あんな風に言われてどうして言い返さないの?私は悔しかった。あなたそんなにだめじゃないもの。だめな人じゃないもの」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
涙ながらに気持ちをぶつけて達郎の心に火をつけました。
このシーン、個人的にめちゃくちゃ好きです。薫って前半結構ひどい女なんですよ。場違いな所へ達郎を呼び出して恥をかかせたり、ボーナスを全部馬券につっこませたり。そんな薫が、元お見合い相手の前で恋人のふりをしたり怒ったりするのがなんだか憎めなくて可愛いんです。
【その2】第6話「僕は死にましぇん!」トラックの前に飛び出す達郎
やっぱり『101回目のプロポーズ』を語る上でこのシーンは外せません。また誰かを好きになって失うのが怖いと怯える薫に達郎は―――
「僕は死にません、僕は死にません。あなたが好きだから、僕は死にません。僕が幸せにしますから」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
トラックの前に飛び出し、涙ながらに全力で愛を伝えるのでした。
このシーンをドラマのクライマックスだと思っている方もいるようですが、このシーンは物語中盤の山場でストーリーの転換期。“人は変わらない”と諦めることに慣れていた達郎が薫のために勇気を出して変わろうとした素敵なシーン。達郎の覚悟が一歩踏み出せずにいる薫の心を動かしたのです。
【その3】第7話「欲しがるだけで与えようとしなかった」潔く負けを認める尚人
薫が達郎との結婚を決めたと聞いた尚人は力ずくで薫を自分のものにしようとしますが、薫に拒絶され―――
「俺は欲しがるだけで与えようとしなかったんだ。少なくともあのおっさんは与え続けたんだな。それがだんだん薫に届いた。悔しいけど負けた」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
潔く負けを認めて「幸せになれ」と背中を押すのでした。
見た目も性格もいいのに報われない男・尚人のかっこよさが爆発しているシーンです。“愛とは求めるものではなく与えるもの”って素敵な言葉ですね。
【その4】第7話「彼を想い続けるあなたごと抱きしめる」墓前で誓う達郎
亡くなった婚約者の墓参りをする薫と達郎。墓前で達郎は―――
「あなたはこれからもこの人のことを想い続けるでしょう。いいんです、いいんです。この人のことを想い続けるあなたごと僕は抱きしめるつもりです。手、短いですけど」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
薫のことを大きな愛で包み込むのでした。
達郎の優しさと誠実さに心を打たれるシーンです。早く婚約者を忘れてほしいのではなく“婚約者のことを想い続けるあなたを丸ごと愛してあげる”という素敵な言葉。なかなか言えませんよね。
【その5】第10話「もっと言って、もっと責めてよ」泣き崩れる薫
薫の気持ちが自分ではなく藤井に向いていると知った達郎は身を引くことを決めて別れを告げます。そのことを知った妹の千恵から「いい加減すぎる」「最低」と罵られた薫は―――
「もっと言ってよ、そんなんじゃ全然足りないよ。もっとどんどん責めて。誰も責めてくれないんだもん、星野さんも。もっとめちゃくちゃ責めて、少しは私の気持ち軽くして」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
泣き崩れるのでした。
つらい。つらすぎる。目の前に亡くなった婚約者にそっくりな人間が現れたら誰でも気持ちが揺れちゃいますよね。薫の気持ちも痛いほどわかるので苦しくなる。浅野温子さんの演技が上手すぎて何度見ても一緒に泣いちゃうシーンです。
【その5】第10話「どんな目にあっても恨んだり怒ったりできない」菩薩になった達郎
婚約を破棄して会社も退職したことを知った弟に励まされた達郎は―――
「純平、不思議だな。俺はさ、これっぽっちもさ、薫さんのこと怒ったり憎んだりしてなかったんだよな。菩薩の境地っていうのかな、人を本当に好きになるとさ、どんな目にあったって、その人をこう、憎んだり怒ったり、そういう気持ちが全然湧いてこないんだよな」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
穏やかな顔でそう答えるのでした。
星野達郎という人間の素晴らしさが伝わるシーン。婚約者に裏切られたら普通は相手を責めたくなりますが、恨んだり怒ったりせず菩薩の境地に辿り着くなんて、普通なら考えられませんよね。
【その6】第12話「どんな顔でもいいから会いに行けばいい」姉の背中を押す千恵
藤井と婚約者は別人だとやっと気付いた薫は藤井と別れますが、星野の元には戻れません。「今さらどんな顔して戻れるの?」という薫に妹の千恵は―――
「どんな顔だっていいじゃない。誰だってそんなに強くないでしょ。弱いとこいっぱいあって、星野さんだってそういう弱いとこ全部裸になってお姉ちゃんに見せてきたんじゃない。お姉ちゃんだって弱いとこあって当たり前だよ。あたしはダメな人間ですって、そういう顔していけばいいじゃない」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
精一杯、姉の背中を押すのでした。
傷付いた姉の薫をずっと側で支えてきた妹の千恵。明るく前向きでダメなときはダメとハッキリ言う性格にすごく好感が持てました。いつまでもくよくよしている薫の背中をバーン!と押す千恵が最高でした。
『101回目のプロポーズ』の魅力を徹底解剖!注目ポイントはココ!

ひたむきな星野達郎が健気で愛おしくて応援したくなる
ずんぐりむっくりの冴えない会社員・星野達郎とスタイル抜群の美女・矢吹薫はお世辞にも似合っているとは言えません。この二人のラブストーリーがはたして成立するのかと疑問ではありましたが、回を追うごとに不思議とお似合いに見えてくるんです。ひたむきな達郎が健気で愛おしくて母性本能をくすぐられます。拒絶されても、ひどい言葉を浴びせられても、裏切られても、ただ一途に薫のことを想い続ける達郎のことを誰もが応援したくなるはずです。
コミカルと感動のバランスが絶妙!秀逸な場面展開
結婚式当日に婚約者を事故で亡くした矢吹薫はとにかくよく泣きます。たぶん各話に1回は泣くシーンがある。なので薫に感情移入してしまうとしんどくなってしまうんですが、コミカルなシーンも結構多いんです。星野兄弟の漫才みたいなやりとりや弟・純平と妹・千恵の痴話喧嘩、また薫の親友も明るくさっぱりした性格なので、物語全体でみるとすごくバランスがいいんです。脚本の野島伸司さんってやっぱり天才!
ここぞという場面で流れるCHAGE&ASKAの『SAY YES』が神すぎる!
ドラマを盛り上げる要素として欠かせない主題歌。ドラマ=主題歌のイメージが強く結びついている作品はいくつかありますが、その代表作とも言えるのが『SAY YES』ですよね。ピアノのジャーン♪から始まる特徴的なイントロは物語をよりドラマチックにしてくれます。まさに神曲。ここぞという場面でこの曲が流れると感情が揺さぶられます。ちなみに、私の一番のお気に入りは第4話の故郷へ帰った薫を達郎が迎えにくるシーン。この曲が流れた瞬間、ブワッと震えます。
『101回目のプロポーズ』の満足度は?独断と偏見で評価してみた!

それでは最後にドラマ『101回目のプロポーズ』の満足度を★1~★5で評価していきたいと思います。あくまでも私個人の感想ですので、ご理解ください。
| ★5 | 私の人生を彩った特別な作品 | すべてが完璧!後世に残したい作品 |
| ★4 | おすすめしたい素敵な作品 | 感動や面白さが期待値を超えた作品 |
| ★3 | 満足できる作品 | 心に残るほどの衝撃や熱狂はなかった作品 |
| ★2 | 好みが分かれるチャレンジ作品 | 光る部分はあったが、あまりおすすめできない作品 |
| ★1 | 期待を裏切った残念な作品 | 視聴時間に見合う満足度が得られなかった残念な作品 |
評価のポイントは以下の5つ。
- 物語(構成・展開・完成度・台詞・余韻)
- 出演者(配役・役者さんの演技力)
- 演出(テンポ・視覚的な演出・映像美・音楽)
- 感情への訴求(泣ける・笑える・胸キュン・切ない)
- 独自性・話題性(他のドラマとの差別化・社会への影響力)
★★★★★ / 『101回目のプロポーズ』は後世に語り継がれる伝説のドラマ
『101回目のプロポーズ』は文句なしの★5つ。私の人生を彩ってくれた素晴らしいドラマです。
物語
出演者
演出
感情
独自性・話題性
『101回目のプロポーズ』続編情報!
1991年に放送された『101回目のプロポーズ』の続編となる『102回目のプロポーズ』が2025年秋に放送されることが決定しました。なんとこの続編は武田鉄矢さん演じる星野達郎がお父さんという設定。星野達郎と矢吹薫の娘が主人公のようです。
現在までに分かっている情報をまとめると…
脚本:鈴木おさむ
星野光:唐田えりか(星野達郎と矢吹薫の娘・チェリスト)
空野太陽:せいや(99回振られ続けてきた男)
大月音:伊藤健太郎(光の恋人・イケメンで御曹司でピアニスト)
星野達郎:武田鉄矢
こんな感じです。
私は俳優さん・女優さんの私生活の問題は切り離して考えるタイプなので、唐田えりかさんと伊藤健太郎さんはいいんじゃないかなと思います(ネット上では批判されまくってますが)。心配なのは霜降り明星のせいやさん。某ドラマで犯人役を演じたときにすごく嫌な思い出があるのであまり期待できませんが、今回は上手く演じてくれることを祈ります。
個人的に一番残念なのは脚本家さん。まあ、野島伸司さんが今さら続編の脚本なんてやりませんよね。鈴木おさむさんの脚本はエンタメ要素が強すぎるのでちょっと苦手。面白い作品もあるんですけどね。
まあでも、あれこれ言っても仕方がないので放送開始を楽しみに待ちたいと思います。


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