2000年10月期にフジテレビ系月9枠で放送された松嶋菜々子さん主演のドラマ『やまとなでしこ』。最高視聴率34.2%を記録した伝説のドラマは三度の飯よりドラマが好きな管理人もドハマりした作品です。大好きすぎて何度もリピートしております。最近はNetflixでの配信も開始され再注目されていますね。今回はそんな『やまとなでしこ』の魅力を徹底解剖していきます。
『やまとなでしこ』の魅力を徹底解剖!注目ポイントはここ!
ありきたりな嘘から始まる恋だけど
展開としてはよくある嘘から始まる恋なんです。貧乏な男性がお金持ちだって嘘をついて女性に近付き、結局その嘘がバレて、みたいなありきたりなお話。でも、他のドラマと違うのは物語の序盤、かなり早い段階で嘘がバレてしまうんです。そしてそこからがこのドラマの面白いところ。主人公の女性はこの世で一番貧乏が嫌いでお金持ちと結婚して玉の輿に乗ることこそが幸せだと思っていたのに、その気持ちがどんどん揺らいでしまうんですよね。ダメだとわかっていても惹かれてしまうという恋愛の心理が見事に描かれております。控えめに言ってめちゃくちゃ面白いです。
松嶋菜々子さん演じる桜子がとにかくキュートで魅力満点
松嶋菜々子さん演じる客室乗務員は愛よりお金が大事で婚約者がいるのに合コンでより良い条件の男を見つけようとする女性。普通に考えれば結構ヤバめな女性なんですけど、嫌いになれない。むしろとっても魅力的。それはきっと「お金持ちと結婚して玉の輿に乗る」という目標を達成するためにひたむきな努力を続けているから。そして他人を蹴落とすようなことはしないから。この二つに尽きると思います。
あとはやっぱり松嶋菜々子さんがかわいい。見た目だけじゃなく声もかわいい。相手にひどいことを言う場面もあるのですが、声がかわいいからそこまで嫌な気分にならないんですよね。人の印象を左右する要素の中で声が大きな割合を占めているという話も納得です。
ここぞという場面で流れるMISIAの『Everything』が神すぎる!
脚本とキャストの素晴らしさもさることながら、このドラマの大きな魅力となっているのがMISIAさんの歌う主題歌『Everything』です。いやあ、本当に神曲。『やまとなでしこ』の世界観にピッタリ。ここぞという場面でこの曲が流れると感情が大きく揺さぶられます。
“この曲といえばこのドラマ”ってすぐに思い浮かぶ作品はいくつかありますが、やっぱり『Everything』×『やまとなでしこ』が最強です。
『やまとなでしこ』のキャスト紹介!主演は松嶋菜々子さん!
・神野桜子(じんのさくらこ)/松嶋菜々子
モデル級の美貌をもつ客室乗務員。愛よりお金が大事。合コンの女王。
・中原欧介(なかはらおうすけ)/堤真一
数学者になる夢を諦めた魚屋。貧乏。
・東十条司(ひがしじゅうじょうつかさ)/東幹久
大病院の御曹司。桜子の婚約者。
・塩田若葉(しおたわかば)/矢田亜希子
桜子の後輩の客室乗務員。欧介に惹かれる。
・粕屋紳一郎(かすやしんいちろう)/筧利夫
中原欧介の親友。信用金庫勤務。
・佐久間為久(さくまためひさ)/西村正彦
中原欧介の親友。大学病院の外科医。
・花房礼二(はなぶされいじ)/押尾学
佐久間の後輩。大学病院の研修医。
・佐久間真理子(さくままりこ)/森口瑤子
佐久間の妻。
・奥山なみ(おくやまなみ)/須藤理沙
桜子の後輩の客室乗務員。粕屋・花房と三角関係。
『やまとなでしこ』の視聴率・主題歌・脚本(原作)
視聴率
・平均視聴率:26.4%
・最高視聴率:34.2%(最終話)
※関東地区・ビデオリサーチ社調べ
主題歌
・MISIA『Everything』
脚本(原作)
・原作:なし
・脚本:中園ミホ
原作なしのオリジナル。脚本家は『ドクターX』『ハケンの品格』などで知られる中園ミホさん。
『やまとなでしこ』各話のあらすじをざっくりと

第1話 ずっと探してた人
この世で一番貧乏が嫌いなCAの神野桜子(松嶋菜々子)は狙った獲物は逃がさない合コンの女王。病院の御曹司・東十条(東幹久)と婚約しながらも、さらなるお金持ちを求めて婚活に励んでいます。そんな桜子の次のお目当ては馬主。そして偶然にも馬主のピンを胸ポケットにつけている男性を合コンで見つけたのです。その馬主のピンをつけていた男性こそが貧乏な魚屋の中原欧介(堤真一)。実は魚屋の常連客が落としたピンを拾っただけだったのですが、忘れられない元カノにそっくりな桜子に一目惚れをしてしまった欧介は葛藤しながらもお金持ちのふりをするのでした。
第2話 恋を失うとき
欧介をロックオンした桜子は積極的にデートに誘ってアピール。しかし、デートの途中で東十条に遭遇し、そこで東十条は欧介が本当は魚屋であることを知ります。そんなことになっているとは知らない桜子と欧介はデートの帰り、忍び込んだ池でボートに乗りキス。桜子もだんだんと欧介に惹かれていきますが、東十条から欧介の正体を告げられるのでした。欧介は「戻れなくなるくらい好きになってしまった」と素直に謝って気持ちを伝えますが、桜子は「嫌いになりました。さようなら」と突き放し、東十条からのプロポーズを受け入れることにしました。
第3話 二人きりの夜
東十条との結婚準備を進めながらも欧介のことを思い出してしまう桜子。そして桜子の幸せを願い身を引くことを決めた欧介も未練タラタラ。そんな中、二人はバッタリ遭遇。睡眠時間を削って合コンに励んでいた桜子は欧介の目の前で意識を失って倒れてしまいます。桜子を病院に運んだ欧介は心配で一晩中手を握って付き添っていたのですが、翌朝桜子が目を覚ましたとき傍にいたのは東十条でした。そして桜子は東十条が一晩中付き添ってくれていたと勘違いしてしまうのです。
第4話 ラブホテル事件
東十条が付き添っていたと勘違いしている桜子は欧介に「倒れた私を見捨てた最低な男。貧乏人の前に人間性を疑う」と暴言を吐きます。数日後、同僚の結婚式に参加した桜子は新郎側の友人として出席している欧介を発見。欧介がマサチューセッツ工科大学に留学していた優秀な数学者だったことを知ります。さらに偶然耳にした同僚の会話から病院で付き添っていたのが東十条ではなく欧介だったことも知るのでした。人間性を疑うと言ってしまったことを後悔する桜子。欧介に謝ろうとするのですが、ラブホテルから出てくる欧介と同僚の若葉(矢田亜希子)に遭遇してしまい、また欧介に暴言を吐いてしまうのでした。
第5話 恋と洋服
酔って気分が悪くなりラブホテルで休んでいただけの欧介と若葉。若葉は桜子に真実を告げますが、「関係ない」と一蹴されます。そんな中、火事の現場に遭遇する欧介。燃えていたのはなんと桜子の住んでいる古いアパートでした。アパートの前で洋服を持ち出して欲しいと頼まれた欧介は断り切れず桜子の部屋へ行き、燃え盛る炎の中なんとか一着だけ桜子の洋服を持ち出しました。その洋服は桜子と欧介が出会った日に着ていた白いワンピースだったのでした。
第6話 顔以外愛せない
洋服が全滅した桜子は部屋の修繕費も重なり落ち込みます。一方そのころ、欧介の魚屋に信用金庫から借金返済の催促が。若葉からそのことを聞いた桜子は「この期に及んでまだお金よりも心が大事なの?」と欧介に嫌味を連発。そして「私に興味をもったのも元カノに似ていたからでしょ?心が大事とか言って結局顔じゃない」と暴言を吐くと、欧介も「あなたの顔以外どこを愛せというのか。本性を知って心から愛せる人なんていない」と応戦。二人は険悪な雰囲気に。その後、借金返済の催促が東十条の新病院建設のためだと知った欧介は魚屋を訪れた桜子に「あなたが正しかった、心よりお金です」と告げるのでした。
第7話 素直になれなくて
配達先の馬主から競馬のレースがあることを聞かされた欧介は過去の勝敗データなどから分析してアドバイスをします。すると、レース翌日、欧介の分析が的中したと馬主が50万円を持ってきて、次のレースも分析してほしいと依頼されます。その50万円で借金返済のため馬券を買った欧介。レースは欧介の分析通りの結果になりますが、走行妨害で失格となってしまい、ショックを受けた母親も脳梗塞で倒れてしまいます。窮地に陥った欧介は東十条に土下座をして「あの店だけは取り上げないでください」と懇願。そんな欧介の姿を見た桜子は東十条に「病院はどこか別の土地に」とお願いをして欧介のことを助けるのでした。
第8話 やさしいウソ
東十条は桜子が欧介のために病院の建設地変更を願い出たのではないかと疑心暗鬼になり魚屋を訪ねます。すると欧介は何も知らない様子。東十条はそのまま真実を告げずに立ち去りますが、友人伝いに「息子さんの婚約者があそこじゃ嫌だとごねた」という話を聞きます。真実を知った欧介は桜子に会いに行きお礼を伝えると、桜子から「いつも行ってる場所に連れてって」とお願いをされ二人はデートをすることに。デートの帰りにそのまま二人で桜子のアパートに行くと、部屋の前にはなんと東十条の姿が。「僕を騙していたんだね」と告げる東十条ですが、欧介が桜子を庇って東十条を説得し、桜子と東十条は仲直り。そして欧介は「東十条さんならきっとあなたを幸せにしてくれます」と桜子の結婚を後押しするのでした。
第9話 彼女が泣いた夜
いよいよ大詰めの桜子と東十条の結婚準備。東十条から父親に会わせてくれと頼まれた桜子は田舎から漁師をしている父親を呼び寄せ、豪華客船の船長という設定にしているから話を合わせてほしいと頼みます。しかし断る父親。すると桜子は「父親も洋服みたいにTPOに合わせて変えられればいいのに」と暴言を吐き、たまたま居合わせた欧介に「このままで最高のお父さんだろ」と怒られてしまいます。翌日、一人で食事会に向かう桜子ですが、そこにスーツを着た父親がやってきて桜子の設定通りの父親を演じてくれます。その後、田舎へ帰る父を欧介とともに見送り「貧乏が嫌で頑張ってきた。だからもう振り返らない」と涙する桜子。「10秒だけ」と欧介に抱きつき、覚悟を決めると笑顔で欧介の元を去っていくのでした。
第10話 逃げ出した花嫁
東十条との結婚式まで1週間。どこか無理をしている様子の桜子を同僚たちは心配します。そのころ欧介は大学の教授からもう一度数学をやってみないかと持ち掛けられます。そんな中、結婚式当日がやってくるのですが、桜子がバージンロードを歩いているとき、崩れた荷物の下敷きになって怪我をした欧介の容態が急変したと連絡が。それを聞いた桜子は思わず式場を飛び出し、ウエディングドレスのまま病院へ。結局欧介は足をひっかけて心電図のコードが抜けただけだったのですが、桜子はそのまま式場へ戻らず欧介とキスをした池へ。翌朝、桜子は魚屋へ行き欧介に素直な気持ちを伝えますが、欧介は「そんなの桜子さんらしくない。僕はあなたにはふさわしくない」と東十条のところへ戻るように告げるのでした。
第11話 いつか王子様が
桜子は結婚式をすっぽかしたことで東十条家から末代までの恥だと罵られます。元気のない桜子を心配して後輩たちが合コンを開催しますが、桜子はまったく乗り気ではありません。しかし、海に向かって「私は悪くない」と叫び、再び合コンの女王として復活。そして偶然会った欧介に「すっかり目が覚めてよりお金が好きになりました」と宣言。すると、欧介からもう一度数学をやってみると告げられます。その後、欧介は論文が認められニューヨークの大学に非常勤講師として迎えられることに。27歳の誕生日を迎えた桜子はすべて失ってゼロになり、結局何も掴めなかったと後悔しますが、欧介の友人に背中を押されニューヨークへ。「残念ながらあなたのそばにいると私は幸せなんです」と想いを告げ、二人はやっと結ばれるのでした。
『やまとなでしこ』の満足度は何点?出演者・物語・感情・演出をチェック!

それでは最後に独断と偏見でドラマ『やまとなでしこ』の満足度を評価していきたいと思います。
採点項目は以下の通り。各項目25点満点。
・出演者(配役、役者さんの演技)
・物語(構成、展開、完成度、台詞、余韻)
・感情(泣ける、笑える、キュン、切ないなど)
・演出(テンポ、視覚的な演出、音楽)
採点基準は以下の通り。
・90点以上:最高傑作
・80点以上:素晴らしい名作
・70点以上:面白い良作
・60点以上:可もなく不可もない作品
・50点以上:人によって好みが分かれる作品
・50点以下:満足度の低い作品
出演者 | ★★★★★ | 25点 |
物語 | ★★★★☆ | 20点 |
感情 | ★★★★★ | 25点 |
演出 | ★★★★★ | 25点 |
出演者
配役と役者さんの演技は満点。松嶋菜々子さん、堤真一さんは言うまでもなく最高。当て馬女子役の矢田亜希子さんもハマり役。当て馬男子役の東幹久さんは、初めはもう少しかっこいい役者さんがよかったなあと思っていたのですが、回を追うごとに桜子に騙されていることに気付かないおバカなお坊ちゃん役がどんどんハマっていって結果的には最高でした。
物語
満点でもいいくらい素晴らしい作品なのですが、個人的に残念なところを一つだけ。後半の展開がちょっと不自然かなあ。ご都合主義すぎる。バージンロード歩いてるときに電話とっちゃう友人とか、心電図のコード抜けただけとか。最終話のニューヨークで再会して結ばれる展開もロマンチックだけど非現実的すぎる気がしちゃいました。ドラマでくらい夢みたい気持ちもわかるけれど☆-1個です。
感情
笑いあり、涙あり、キュンありの素敵な作品です。もちろん満点。
演出
映像美が素晴らしい。池でのキスシーンの美しさは圧巻。ここぞという場面で流れるMISIAさんの『Everything』も最高でした。もちろん満点。
『やまとなでしこ』はこんな人におすすめ
- 王道の恋愛ドラマが好きな人
- 恋愛に夢があっていいじゃんって思える人
- 現実は現実、ドラマはドラマで楽しみたい人
- 昔の月9の雰囲気が好きな人
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