日本のドラマ界において、これほどまでに「純愛」の定義を鮮烈に塗り替えた作品があるでしょうか。今や当たり前となった「ドラマ主題歌=大ヒット曲」という黄金法則の先駆けとも言える本作。イントロが流れるだけで当時の情景が鮮明に蘇るほど、その影響力は凄まじいものがありました。
武田鉄矢さん演じる不器用な中年男と、浅野温子さん演じる美しきチェリスト。あまりに不釣り合いな二人が織りなす究極の愛の物語は、日本中を涙させ、社会現象を巻き起こしました。
今回は、そんな伝説のドラマ『101回目のプロポーズ』の魅力を徹底解剖していきます。語り継がれる名シーンはもちろん、改めて観て確信した注目ポイントを熱く整理。世代を超えて語り継ぎたい、私なりの独断と偏見による評価レビューをお届けします!
ドラマ『101回目のプロポーズ』作品情報|視聴率・主題歌
- 放送枠:フジテレビ / 月9
- 放送期間:1991年7月1日~9月16日
- 脚本:野島伸司
- 原作:なし
- 主題歌:CHAGE&ASKA「SAY YES」/282万枚
- 平均視聴率:23.6%
- 最高視聴率:36.7%(最終話)
※視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ
※主題歌の売上枚数はオリコン調べ
ドラマ『101回目のプロポーズ』は、1991年7月期にフジテレビの「月9」枠で放送された、トレンディドラマの金字塔と呼ぶにふさわしい名作です。脚本を手がけたのは、本作が初期の代表作となった野島伸司さん。冴えない中年男の無償の愛を泥臭く、かつ叙情的に描いた物語は、それまでの華やかなラブストーリーの常識を覆しました。主題歌であるCHAGE and ASKAの「SAY YES」は、ドラマのクライマックスを象徴する旋律として社会現象となり、ダブルミリオンを記録。「ドラマ主題歌=大ヒット曲」という法則を決定づけました。最高視聴率36.7%という驚異的な数字を叩き出し、今なお多くの日本人の記憶に刻まれている純愛物語の決定版です。
ドラマ『101回目のプロポーズ』のあらすじ(ネタバレなし)
美女×野獣!一途でひたむきな愛に涙する
建設会社に勤める万年係長の星野達郎(武田鉄矢)は、真面目だけが取り柄の冴えない中年男。99回ものお見合いに失敗し、絶望の淵にいた彼の前に現れた100回目のお見合い相手は、亡き婚約者を忘れられずにいる美しいチェリスト・矢吹薫(浅野温子)でした。
高嶺の花である薫に対し、達郎はまさに「野獣」が「美女」に恋をするかのような、分不相応なまでの真っ直ぐな想いをぶつけ続けます。当初は冷淡にあしらっていた薫でしたが、物語中盤、ある衝撃的な出来事を境に、達郎の捨て身の覚悟が彼女の閉ざされた心を動かし始めます。
しかし、ようやく幸せを掴みかけた二人の前に、死んだ婚約者と生き写しのエリート男性が現れるという過酷な試練が訪れます。究極の選択を迫られる薫と、愛する人の幸せのために苦渋の決断を迫られる達郎。不器用な男の「101回目」のプロポーズは、果たしてどのような結末を迎えるのか。
ドラマ『101回目のプロポーズ』のキャスト
【登場人物1】99回お見合いに失敗した男・星野達郎(武田鉄矢)
真面目で不器用な会社員(万年係長)。亡くなった両親にかわり歳の離れた弟を大学へ通わせる。99回お見合いに失敗し、100回目のお見合いで出会った薫に運命を感じる。
【登場人物2】昔の恋人を忘れられない美女・矢吹薫(浅野温子)
オーケストラのチェロ奏者。3年前に事故で亡くなった婚約者を忘れられない。母親に勧められたお見合いで出会った達郎の一途でひたむきな想いにだんだんと心を通わせる。
【登場人物3】見た目も性格も完璧なのに報われない男・沢村尚人(竹内力)
薫と同じオーケストラのバイオリニスト。見た目も性格も完璧。薫のことが好きで積極的にアプローチしているが、振り向いてもらえない。
【登場人物4】見た目はチャラ男なのに実は純情な弟・星野純平(江口洋介)
大学の法学部に通う達郎の弟。兄をバカにする相手には本気で怒る。見た目はチャラ男なのに実は純情。好きな女の子の前では普段の自分が出せず空回りしてしまう。
【登場人物5】明るく前向きな妹・矢吹千恵(田中律子)
明るく前向きな薫の妹。傷心の姉を心配してお見合いにも付き添う。姉のことが好きだと知りつつ尚人に好意を寄せる。同じ大学で同じサークルの純平とは口喧嘩が絶えない。
【登場人物6】薫の婚約者にそっくりな男・藤井克巳(長谷川初範)
大阪支社から東京本社に転勤してきた達郎の上司。バツイチ子持ち。薫の亡くなった婚約者に瓜二つ。
『101回目のプロポーズ』はどこで観れる?配信状況まとめ
| サービス | 料金(月額) | 配信状況 |
|---|---|---|
| Netflix | 890円 | |
| Amazon Prime Video | 600円 | |
| U-NEXT | 2,189円 | |
| Hulu | 1,026円 | |
| FODプレミアム | 976円 | |
| TSUTAYA DISCAS | 無料(定額プラン・都度課金) |
『101回目のプロポーズ』は2026年1月現在NetflixとFODプレミアムで配信されています。
また、TSUTAYA DISCASでDVDをレンタルすることもできます。
涙腺崩壊!『101回目のプロポーズ』名場面・名セリフ
数々の名シーンが誕生した『101回目のプロポーズ』ですが、ここではNetflixで全話一気に視聴した私が、特に心に刻まれているシーンとセリフを厳選してご紹介します。
【その1】第5話「あなたはダメじゃない」達郎の心に火をつける薫
薫と食事中、偶然昔のお見合い相手に遭遇した達郎は彼女と彼女の夫に失礼な発言をされますが、何も言い返しません。そんな達郎に薫は―――
「星野さん、あんな風に言われて悔しくないんですか?あんな風に言われてどうして言い返さないの?私は悔しかった。あなたそんなにだめじゃないもの。だめな人じゃないもの」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
涙ながらに気持ちをぶつけて達郎の心に火をつけました。
このシーン、個人的にめちゃくちゃ好きです。薫って前半結構ひどい女なんですよ。場違いな所へ達郎を呼び出して恥をかかせたり、ボーナスを全部馬券につっこませたり。そんな薫が、元お見合い相手の前で恋人のふりをしたり怒ったりするのがなんだか憎めなくて可愛いんです。
【その2】第6話「僕は死にましぇん!」トラックの前に飛び出す達郎
やっぱり『101回目のプロポーズ』を語る上でこのシーンは外せません。また誰かを好きになって失うのが怖いと怯える薫に達郎は―――
「僕は死にません、僕は死にません。あなたが好きだから、僕は死にません。僕が幸せにしますから」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
トラックの前に飛び出し、涙ながらに全力で愛を伝えるのでした。
このシーンをドラマのクライマックスだと思っている方もいるようですが、このシーンは物語中盤の山場でストーリーの転換期。“人は変わらない”と諦めることに慣れていた達郎が薫のために勇気を出して変わろうとした素敵なシーン。達郎の覚悟が一歩踏み出せずにいる薫の心を動かしたのです。
【その3】第7話「欲しがるだけで与えようとしなかった」潔く負けを認める尚人
薫が達郎との結婚を決めたと聞いた尚人は力ずくで薫を自分のものにしようとしますが、薫に拒絶され―――
「俺は欲しがるだけで与えようとしなかったんだ。少なくともあのおっさんは与え続けたんだな。それがだんだん薫に届いた。悔しいけど負けた」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
潔く負けを認めて「幸せになれ」と背中を押すのでした。
見た目も性格もいいのに報われない男・尚人のかっこよさが爆発しているシーンです。“愛とは求めるものではなく与えるもの”って素敵な言葉ですね。
【その4】第7話「彼を想い続けるあなたごと抱きしめる」墓前で誓う達郎
亡くなった婚約者の墓参りをする薫と達郎。墓前で達郎は―――
「あなたはこれからもこの人のことを想い続けるでしょう。いいんです、いいんです。この人のことを想い続けるあなたごと僕は抱きしめるつもりです。手、短いですけど」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
薫のことを大きな愛で包み込むのでした。
達郎の優しさと誠実さに心を打たれるシーンです。早く婚約者を忘れてほしいのではなく“婚約者のことを想い続けるあなたを丸ごと愛してあげる”という素敵な言葉。なかなか言えませんよね。
【その5】第10話「もっと言って、もっと責めてよ」泣き崩れる薫
薫の気持ちが自分ではなく藤井に向いていると知った達郎は身を引くことを決めて別れを告げます。そのことを知った妹の千恵から「いい加減すぎる」「最低」と罵られた薫は―――
「もっと言ってよ、そんなんじゃ全然足りないよ。もっとどんどん責めて。誰も責めてくれないんだもん、星野さんも。もっとめちゃくちゃ責めて、少しは私の気持ち軽くして」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
泣き崩れるのでした。
つらい。つらすぎる。目の前に亡くなった婚約者にそっくりな人間が現れたら誰でも気持ちが揺れちゃいますよね。薫の気持ちも痛いほどわかるので苦しくなる。浅野温子さんの演技が上手すぎて何度見ても一緒に泣いちゃうシーンです。
【その6】第10話「どんな目にあっても恨んだり怒ったりできない」菩薩になった達郎
婚約を破棄して会社も退職したことを知った弟に励まされた達郎は―――
「純平、不思議だな。俺はさ、これっぽっちもさ、薫さんのこと怒ったり憎んだりしてなかったんだよな。菩薩の境地っていうのかな、人を本当に好きになるとさ、どんな目にあったって、その人をこう、憎んだり怒ったり、そういう気持ちが全然湧いてこないんだよな」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
穏やかな顔でそう答えるのでした。
星野達郎という人間の素晴らしさが伝わるシーン。婚約者に裏切られたら普通は相手を責めたくなりますが、恨んだり怒ったりせず菩薩の境地に辿り着くなんて、普通なら考えられませんよね。
【その7】第12話「どんな顔でもいいから会いに行けばいい」姉の背中を押す千恵
藤井と婚約者は別人だとやっと気付いた薫は藤井と別れますが、星野の元には戻れません。「今さらどんな顔して戻れるの?」という薫に妹の千恵は―――
「どんな顔だっていいじゃない。誰だってそんなに強くないでしょ。弱いとこいっぱいあって、星野さんだってそういう弱いとこ全部裸になってお姉ちゃんに見せてきたんじゃない。お姉ちゃんだって弱いとこあって当たり前だよ。あたしはダメな人間ですって、そういう顔していけばいいじゃない」
引用元:ドラマ『101回目のプロポーズ』(フジテレビ)
精一杯、姉の背中を押すのでした。
傷付いた姉の薫をずっと側で支えてきた妹の千恵。明るく前向きでダメなときはダメとハッキリ言う性格にすごく好感が持てました。いつまでもくよくよしている薫の背中をバーン!と押す千恵が最高でした。
『101回目のプロポーズ』の魅力を徹底解剖!注目ポイントはココ!

ひたむきな星野達郎が健気で愛おしくて応援したくなる
ずんぐりむっくりの冴えない会社員・星野達郎とスタイル抜群の美女・矢吹薫はお世辞にも似合っているとは言えません。この二人のラブストーリーがはたして成立するのかと疑問ではありましたが、回を追うごとに不思議とお似合いに見えてくるんです。ひたむきな達郎が健気で愛おしくて母性本能をくすぐられます。拒絶されても、ひどい言葉を浴びせられても、裏切られても、ただ一途に薫のことを想い続ける達郎のことを誰もが応援したくなるはずです。
コミカルと感動のバランスが絶妙!秀逸な場面展開
結婚式当日に婚約者を事故で亡くした矢吹薫はとにかくよく泣きます。たぶん各話に1回は泣くシーンがある。なので薫に感情移入してしまうとしんどくなってしまうんですが、コミカルなシーンも結構多いんです。星野兄弟の漫才みたいなやりとりや弟・純平と妹・千恵の痴話喧嘩、また薫の親友も明るくさっぱりした性格なので、物語全体でみるとすごくバランスがいいんです。脚本の野島伸司さんってやっぱり天才!
ここぞという場面で流れるCHAGE&ASKAの『SAY YES』が神すぎる!
ドラマを盛り上げる要素として欠かせない主題歌。ドラマ=主題歌のイメージが強く結びついている作品はいくつかありますが、その代表作とも言えるのが『SAY YES』ですよね。ピアノのジャーン♪から始まる特徴的なイントロは物語をよりドラマチックにしてくれます。まさに神曲。ここぞという場面でこの曲が流れると感情が揺さぶられます。ちなみに、私の一番のお気に入りは第4話の故郷へ帰った薫を達郎が迎えにくるシーン。この曲が流れた瞬間、ブワッと震えます。
『101回目のプロポーズ』を独断と偏見でレビュー|★1~★5で評価

全話視聴して感じた満足度を5つの指標で評価してみました。
評価のポイントは以下の5つ。
- 物語(構成・展開・完成度・台詞・余韻)
- 出演者(配役・役者さんの演技力)
- 演出(テンポ・視覚的な演出・映像美・音楽)
- 感情への訴求(泣ける・笑える・胸キュン・切ない)
- 独自性・話題性(他のドラマとの差別化・社会への影響力)
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- 物語
- 5
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- 出演者
- 5
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- 演出
- 5
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- 感情
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- 独自性・話題性
- 5
総合評価 ★★★★★
(5.0)
私の人生を彩った特別な作品
すべてが高い完成度で噛み合い、観終わったあとも長く心に残り続ける特別なドラマ。人生のどこかのタイミングで出会えてよかったと思える、何度でも見返したくなる大切な一本。
物語
出演者
演出
感情
独自性・話題性
『101回目のプロポーズ』はこんな人におすすめ!
「僕は死にましぇん!」というあまりにも有名な名台詞を生んだ『101回目のプロポーズ』。不器用な男の真っ直ぐな想いが、閉ざされた女性の心を溶かしていく過程は、今見ても涙なしには語れません。特に次のような方に見ていただきたい名作です。
純愛ストーリーが好きな人
見た目も冴えず、お見合いにも失敗続きの達郎が、一途に薫を想い続ける姿はまさに純愛そのものです。打算や駆け引きが一切ない、泥臭いほど一生懸命な恋の行方は、忘れかけていたピュアな気持ちを思い出させてくれます。真っ直ぐな想いが奇跡を起こす物語に、どっぷりと浸かりたい方に最適です。
壁を乗り越えて心を通わせる物語が好きな人
亡くなった婚約者を忘れられない薫の心の傷、そして達郎と薫の間にある圧倒的な格差。二人の前にはいくつもの高い壁が立ちはだかります。その「障害」を、達郎が持ち前の誠実さとガッツで一つひとつ乗り越えていく姿には勇気をもらえます。絶望的な状況から心を通わせていく物語に感動したい方におすすめです。
「幸せとは何か」のテーマが好きな人
エリートとの結婚や条件の良さが本当の幸せなのか、それとも自分を心から愛してくれる人と共に歩むことが幸せなのか。物語を通じて、幸せの価値観を揺さぶられるような問いかけが散りばめられています。自分にとっての「本当の幸せ」とは何か、人生の選択に迷ったときにこそ見てほしい深いテーマが流れています。

